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若菜メイの文章倉庫

【詩】煉獄の火

炎のような快楽に
沈んだことを覚えているか
業火に下る自堕落な夜虫の羽を
笑えると言うのか?
口づけに枯渇した
そのまなざしは
互いの
網膜を越え
脳髄を越え
心臓の音を越えて
ついにその
二体の内の
たおやかなる赤き血との同化を
拒むまま
遠近法に従い
縮小の継続を止めず
抱き合いうことを知らない
それが忘我の理由なら
渇望の野獣は
血液を凍結させて
安息だけの 深き静寂の氷海に
身を投げ捨てるというのか
そう
業火に焦がれる 自堕落な夜虫の羽を
蔑めばいいのだ
禿鷹の待つあの丘など
私は少しも
恐れはしないというのに!

業火の中に 爛れ果てることをすら
許されぬ者には
暗がりをさまよう
空腹のかげろうですら、
なぐさめにはならぬのだ
by wakanamei1 | 2005-12-02 10:40 |
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書きためたものを置く所

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